修行の終わりに見えるものは何なのか?

思想系

ANAの制度変更と、かつての自分

 

ANAがスーパーフライヤーズカード(SFC)の制度変更を発表した。

 

2028年以降は、従来のSFC保有者を年間300万円以上決済する「SFC PLUS」と、それ以外の「SFC LITE」に分けるという。

ラウンジ利用やスターアライアンスゴールド特典にも差が設けられるらしい。

 

この発表を受けて、

「改悪だ」

という声もあれば、

「時代の流れだ」

という声もある。

 

どちらも間違いではないだろう。

 

ただ、このニュースを見ていて、私は別のことを考えていた。

かつて、私はブラックカードに憧れていた。

センチュリオンに興味を持ち、アメックス・プラチナを保有していた時代もある。

あの頃は、上を目指すことそのものが楽しかった。

 

もっと良いカード。

もっと良いホテル。

もっと良いサービス。

もっと上のステータス。

 

もちろんそれは悪いことではない。

人を成長させる原動力でもある。

 

しかし、ある時から違和感を覚えるようになった。

 

自分は本当に飛行機に乗りたいのだろうか。

本当にそのホテルに泊まりたいのだろうか。

本当にそのカードが必要なのだろうか。

 

それとも、ステータスを維持するために飛行機に乗り、特典を失わないためにカードを使い、資格を守るためにお金を使っているのだろうか。

今回のANAの制度変更は、そうした問いを私たちに投げかけているように見える。

 

 

「修行」という言葉は面白い

 

修行とは、本来は悟りを得るための行為だ。

ところが現代では、飛行機に乗り続けることを修行と呼ぶ。

 

しかし本当の修行とは、飛行機に乗ることではなく、

「自分にとって何が本当に必要なのかを見極めること」

だと思う。

 

SFCを維持したい人は、これからも維持すればいい。

年間300万円の決済に価値を感じる人もいるだろう。

それは一つの正解だ。

 

ただ、もし制度変更によって資格を失うことが不安なら、一度立ち止まって考えてみるのも悪くない。

 

ステータスは、本当に自分の人生を豊かにしているのか

自分がそのステータスを支えているのか?

 

私自身、かつてはセンチュリオンに憧れていた。

そして今は、その頃の自分を否定するつもりはない。

 

ただ、年齢を重ねた今、以前より興味があるのは、カードやステータスそのものではなく、

「限られた時間をどう使うか」

ということだ。

 

結論として、ANAの制度変更はマイル修行の常識を変えるのかもしれない。

しかし本当に変わるべきなのは、制度ではなく、私たちの価値観なのだろう。

 

私たちはいつから移動よりステータスを求めるようになったのだろうか。

そして、資格を維持するために人生を使うようになったのだろうか。

 

ANAの制度変更は、そんなことを考えさせる出来事だった。

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