思い出は、予約できない。 ― プレミアムカードが少しだけ後押ししてくれた、甥との一夜 ―

Diners Club Premium Card

先日、横浜中華街で甥っ子と食事をした。

就職祝いである。

本来ならもっと早く開く予定だったが、お互いの予定が合わず、一年越しのお祝いになってしまった。

 

せっかくなら、少しでも良い時間を過ごしてほしい。

そんな思いから、私はダイナースプレミアムカードのコンシェルジュデスクへ予約を依頼した。

 

 

店選びから予約までお願いし、当日案内されたのは静かな個室だった。

落ち着いた空間で、ゆっくりと料理を楽しむ。

その時間だけでも十分に満足していた。

 

甥っ子は若さそのままに、紹興酒を気持ちよく飲んでいる。

「そんなに飲むのか。」

思わず笑ってしまった。

子どもの頃の姿を知っているだけに、その成長が何とも頼もしく映った。

 

食事も終わりに近づいた頃だった。

 

店の方が、予約していたコースとは別にデザートを運んできてくださった。

「就職のお祝いの会だとお聞きしていたので・・・。」

そんな一言が添えられていた。

 

決して高価なサービスではない。

しかし、その瞬間、その場の空気が少しだけ温かくなった。

私は以前、ホテルで雨の中タクシーを探してくれたベルボーイの話を書いたことがある。

人の記憶に残るのは、豪華な設備ではなく、人の気遣いなのだと。

 

今回も同じだった。

 

個室だったことよりも。

料理がおいしかったことよりも。

最後に添えられた小さなデザートが、一番心に残っている。

 

おそらく、これは店だけの判断ではない。

コンシェルジュデスクと店との連携があったからこそ生まれた気遣いなのだろう。

 

私はプレミアムカードを持つ理由を、「優越感」だと思ったことは一度もない。

 

良い席を確保することでもない。

予約を代行してもらうことでもない。

 

その一枚のカードが、大切な人との時間を、ほんの少しだけ豊かにしてくれる。

その価値に年会費を払っているのだと思う。

 

もし数年後、甥っ子があの日のことを思い出してくれることがあるなら、それだけで十分である。

時間がたてば料理の味は忘れてしまうことだろう。

けれど、「祝ってもらえた」という記憶は、不思議と心のどこかに残り続ける。

 

ブラックカードが運んできたのは、特別なサービスではない。

思い出に残る時間だったと思う。

 

効率化によって失われるものと、それでも最後に人が残す価値~ウェスティンホテル横浜
QRコードによるルームサービス注文、合理化されたホテル運営。その一方で、雨の中タクシーを探してくれたベルボーイの姿が心に残りました。便利さではなく、人の温もりこそが本当のホスピタリティであることを綴ります。

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