
2026年調査が映し出す「選択の不在」
“― かつて私は、ブラックカードを「ステータス」としてではなく、「選び抜いた1枚」として捉え直したことがある― ”
人は平均3枚のクレジットカードを持ち、そのうち1枚以上を、ほとんど使っていないそうだ。
2026年のマーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査によれば、
クレジットカード保有率は78.5%。
平均保有枚数は2.84枚。
そして、保有者の半数以上が「使っていないカード」を抱えている。
眠っているのは、カードか。
それとも、決断か。
無料という甘い入口
入会のきっかけのトップは「年会費無料(45.9%)」
無料。
この言葉は強い。
だが冷静に考えてみたい。
本当に欲しかったのだろうか。
「損しないから」
「とりあえず作っておこう」
「キャンペーンがあったから」
そこにあるのは、積極的な選択ではない。
“拒否しなかった結果”だ。
選ばなかったのではない。
選び切らなかったのだ。
ポイントという終わらない比較
使わなくなった理由の上位はこうだ。
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他のカードの方がポイントが貯まる
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なんとなく使わなくなった
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管理枚数を減らしたい
特に印象的なのは、「なんとなく」である。
金融商品でありながら、
意思の中心にいない。
ポイントは常に更新される。
還元率は比較され変化し続ける。
より高い数字へと目は向く。
だがその競争は、いつか“疲れ”に変わるだろう。
そして思う。
「枚数を減らしたい」と。
速さの時代と、思想の空白
最近の支払方法は三分されている。
1 現金
2 QRコード
3 クレジットカード
カード利用では「タッチ決済」が主流。
若年層はQR、年齢が上がるほどタッチ決済。
そこにあるのは“速さ”の競争だ。
だが速さは、思想ではない。
決済が速くなった分だけ、選択は浅くなっていないだろうか。
眠るカードの正体
平均3枚持ち、1枚を眠らせる。
これは単なる無駄ではない。
それは、「選択の揺らぎ」の数字だ。
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無料に引かれ
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還元率に惑わされ
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管理に疲れ
最後に残るのは、“どれが自分なのか分からない財布”。
カードは金融ツールだが、同時に「自己定義の道具」でもあると思う。
何を選び、何を捨てるか。
そこに人格が出るのだ。
増やすのではなく、削ぎ落とす
カードは増やすものではない。
削ぎ落とすものだ。
1枚に絞ることは、不便になることではない。
それは、自分の軸を明確にすることだ。
無料かどうかではない。
還元率が0.2%高いかどうかでもない。
そのカードがあなたの価値観と整合しているか。
そこに立ち返ったとき、眠るカードは消えていく。
後記
人は、平均2.84枚を持っているそうだ。
だが本当に必要なのは、1枚かもしれない。
カードが増えるほど、選択は軽くなる。
減らすほど、重くなる。
そしてその重さこそが、あなたの思想ででもある。

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